猫を飼っているご家庭でリフォームを検討されている場合、愛猫の安全と快適さを確保しつつ、費用を抑える方法が気になるところでしょう。
今回は、猫と暮らす家のリフォーム費用について、具体的な工事内容や費用相場、コストを抑えるための工夫、そして利用できる補助金・助成金についても解説します。
猫と暮らす家のリフォーム費用
壁の爪とぎ対策と費用
猫との暮らしで最も多い悩みが壁の爪とぎです。
これにはいくつかの対策が考えられます。
一つは、表面が強化され傷がつきにくい「ペット対応クロス」へ張り替える方法で、6畳の部屋の壁全面であれば約8万円から15万円が相場です。
また、猫が爪を研ぎやすい腰の高さまでを耐久性の高い「保護パネル」で覆う方法もあり、こちらは1mあたり約1万円からが目安となります。
さらに、消臭や調湿効果も期待できる「エコカラット」のような機能性タイルを施工する選択肢もあり、その費用は1平方メートルあたり約2万円からとなります。
床の滑り対策と費用
一般的なフローリングは、猫の足腰に関節炎などの負担をかける可能性があります。
そこで、滑りにくく掃除もしやすい床材への変更が推奨されます。
例えば、適度なクッション性があり、耐水性や消臭効果も備えた「ペット用クッションフロア」への張り替えは、6畳の広さで約5万円から10万円が相場です。
汚れた部分だけを交換できる「タイルカーペット」も人気があり、同様に6畳で約6万円から12万円が目安となります。
脱走防止対策と費用
玄関や窓からの万が一の脱走は、命に関わる事故につながりかねません。
これを防ぐためのリフォームも重要です。
玄関と廊下の間などにもう一つ扉やゲートを設ける「内扉」や「ペットゲート」の設置は、工事内容にもよりますが約5万円から20万円ほどで実現できます。
また、窓からの飛び出しを防ぐための「落下防止柵」や、網戸の状態での脱走を防ぐ「補助錠」の取り付けは、1箇所あたり約3万円からが目安です。
運動スペースの設置と費用
室内飼いの猫にとって、上下運動は運動不足やストレスの解消に不可欠です。
壁面に棚板を取り付けて「キャットウォーク」や「ステップ」を造作するリフォームは、猫の満足度を大きく高めます。
費用は設置する規模や使用する素材によって大きく変動しますが、約10万円から50万円以上が一般的な価格帯です。
設計の際は、猫の年齢や体格に合わせた安全な幅や高さ、着地点の安全性を確保することが肝心です。
猫リフォームで費用を抑えるには?
リフォームの優先順位を見極める
費用を賢く抑えるためには、すべての要望を一度に叶えようとせず、リフォームの優先順位を明確にすることが重要です。
例えば、「愛猫による傷みが最も激しいリビングの壁」や「安全確保に直結する玄関の脱走防止対策」など、本当に必要な箇所から着手しましょう。
何が最も重要かを見極めることで、無駄な出費を避け、計画的に理想の住まいへと近づけることができます。
専門業者との賢い付き合い方
リフォームを依頼する際は、複数の業者から見積もりを取る「相見積もり」を行いましょう。
その際、単に価格の安さだけで判断するのではなく、過去の施工事例などを確認し、猫の習性を深く理解しているかを見極めることが大切です。
ペットリフォームの実績が豊富な業者であれば、予算内で最大限の効果を得られる代替案や、長期的な視点に立った有益な提案をしてくれる可能性が高まります。
大阪市で活用できる補助金・助成金
他のリフォームとの組み合わせによる活用
2025年9月時点の大阪市において、残念ながら「猫のためのリフォーム」そのものを直接の対象とした補助金や助成金制度は存在しません。
しかし、他の目的で行う住宅改修と組み合わせることで、間接的に補助制度を活用できる可能性があります。
例えば、市の「民間戸建住宅等の耐震診断・改修等補助制度」を利用して壁の耐震補強を行う際に、同じ壁にキャットウォークの下地を設置したり、強化壁紙を施工したりする方法です。
また、「住宅省エネ改修促進事業」で断熱性の高い窓に交換する際に、猫の脱走防止機能が付いた製品を選ぶことも考えられます。
これらの補助金制度は年度ごとに内容が変更されたり、予算上限による先着順であったりするため、必ず事前に大阪市の公式ホームページで最新情報を確認するか、リフォーム業者に相談することが不可欠です。
まとめ
猫と暮らす家のリフォームは、爪とぎ対策や脱走防止など、特別な配慮が必要なため一般的なリフォームより費用がかかる傾向にあります。
しかし、工事の優先順位をしっかりと考え、ペットリフォームに詳しい信頼できる業者を選び、そして自治体の補助金制度を賢く活用することで、費用負担を軽減しながら愛猫との安全で快適な住空間を実現することは十分に可能です。
